長野県北安曇郡小谷村
信州おたり民家応援団
A: 平成8年に「文化財保護法」が改正されてできた制度です。
従来の指定文化財制度のみを補完するもので、建築物・土木構造物などの建造物を対象にしています。 正式
には「有形登録文化財」といいます。 「この建造物は保存して活用していく必要があ
るんじゃないの?」と誰かが考えたときに、その建造物のある市町村の教育委員会や
都道府県の文化財担当の方々に推薦してそれが認められれば、国の「文化財登録原
簿」に登録することができます。 つまり、今まで有識者などが上から指定していた文
化財だけでなく、一般市民が文化財を見つけていくことが認められることになったの
です。
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Q2: どうして文化財を登録するの? いままで文化財は指定されていたよね?
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A: 日本での今までの文化財の考え方は、数少ない本当に文化財的価値の高いものを厳
選して指定するという、厳密な保存のためにかなり規制の多いものでした。 そのよう
な指定文化財が大切なのは当然です。
でも私たちの本当に身の回りにある身近な建造
物でも50年経ってしまうと、もう再現できなくなっています。 それに「指定文化財」
は、絶滅したものの剥製のような保存の仕方で、実際に建造物として活用することが
難しいものが多かったのです。 住んでいる人がいる住宅だと、「改造するのに釘1本
打っちゃいけない家に住むなんてまっぴら」と、指定を断る持ち主がいるなどという
ことはたまに聞く話です。 持ち主にしてみれば、「そのまま使い続けていくには不便
だし、いくら価値があるっていわれても、もう同じようにはできないから、もったい
ないけど壊して新しく建てたほうがラク!」という判断をせざるを得ない状況で、各
地方にそれぞれ特色のあった古き良き風景が、全国画一の街並みに変貌していってし
まいました。
資産として活かし、文化として生かす。
そんなふうにゆるやかに守って
いこうという発想が、指定制度を補う、この登録制度なのです。 歴史のあるイギリス
には文化財登録制度が根付いていて、すでに40万件以上の登録数があります。 また
アメリカは歴史が浅いものの、登録数の伸びは目を見張るものがあります。 日本で
も、歴史や環境に配慮する発想が大きくなりつつある昨今、当然のように生まれ、そ
して、今後一般市民が大きく成長させねばならない制度です。
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A: 一番大きいのは、保存・活用するために必要な修理の設計監理料の2分の1を国が
補助するということです。
指定文化財制度では、修理・修復を行うと、事情により
異なるものの、その費用はほぼ全額補助金でまかなわれていました。修理も大がかり
な復原工事が多いように見受けられます。そうなると全体の予算も限られております
し、本当に価値の高いもののみ厳選して残していく、という方針もうなずけます。
し
かし、登録制度の趣旨は、「活用しながら長く建造物として残していく」ものなの
で、大きな額になることもある工事費までは出していたら、なかなか登録数は増えま
せん。町の建築家や建物が好きな方々が見つけてきた地域の人たちなら良く知ってい
る「ちょっといい感じの掘り出し物」を、こう直せば、もっと長生きさせられる、持
ち主も周囲の人たちも、壊さなくて良かったと思えるような工夫をした技術・提案
・計画に対して補助をしようというものです。
ほかの優遇措置としては、敷地の地価
税を2分の1に減免、市町村が家屋の固定資産税の2分の1以内を適宜軽減、などが
あります。
また「プレート」が交付され、外から見える位置に掲げると、登録建造物であること
が一目でわかります。
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A: 築後50年を経過している建造物で(今年は2002年なので、1952年(昭和26年)
築造以前のもの)、以下の3つの基準のうち、どれじゃ一つでも満たしていれば登録
の資格を持っています。
1. 国土の歴史的景観に寄与しているもの
2. 造形の規範となっているもの
3. 再現することが容易でないもの
具体的には、1は「3丁目の赤れんが」とか「○○屋の黒土蔵」とか近隣で愛称など
で呼ばれて親しまれているものや、絵画の題材とか歌謡曲の歌詞に出てくるようなも
の、その土地を知るのに役立つようなものなどが該当します。 2は著名な設計者や施
工者が関わったものや、昭和初期モダニズム建築のような後に多く造られるものの初
期のプロトタイプ的な作品、茅葺き屋根の農家や下見板張りの洋館などの時代や建造
物の種類の特徴を示すものなどが該当します。 3はナマコ壁の住宅や優れた欄間の彫
刻を持つ書院のような卓越した技術や技能が用いられているものや、黒漆喰塗りの町
屋など現在では珍しくなった技術や技能が用いられているもの、珍しい形やデザイン
で、他に同じような例が少ない場合などが該当します。
より詳しくは、
『文化財保護法 改正のポイントQ&A』(文化庁文化財保護法研究会編著 ぎょう
せい)という本がありますので、ご参考にしてください。
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私たちは小谷村の民家を多く見て、ほぼすべて文化財登録の要素は満たしているよう
に思い、村にある多くの建造物が登録されることによって活用されていくことを願っ
てやみません。
なお、この文章は文化庁が出している「建物を活かし文化を生かす 文化財登録制度の
ご案内」パンフレットをもとに作成しております。
文責 E-jan
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私たちは小谷村の豊かな自然と歴史的景観を応援しています。